昇天できる歌を求めて(1):  アメージング グレース

 「昇天できる歌を求めて」とは、いかにも変なタイトルです。当初は「成仏できる歌を求めて」という題を考えましたが、扱う音楽が西洋音楽だし、抹香臭いのでやめました。要はリスナーが癒され救われ昇天できるようなポテンシャルを持った歌が聴きたいのです。音楽葬なるものがあるかは知りませんが、自分の葬儀の時に流して参列者に聞かせたい曲は何かということに通じます。

 

 最初に取り上げるのはAmazing Graceです。今日はYou Tubeで色々な人の歌でアメージング・グレースを聴くことができます。当初、この歌は天上界から降るような透き通った声の女性ボーカルが合うと思っていました。この曲はバグ・パイプが伴奏に使われることが多く、するとケルト調の響きになります。そんなわけで、まずはCeltic Womanを聴いてみましょう。ケルティック・ウーマンとは、アイルランド出身の女性の音楽グループです。

 かたっぱしから女性の歌を聴いてみるとなんだか物足りません。素朴なメロディでサビの部分がないのが物足りない理由の一つでしょう。歌詞を調べてみることにしましょう。

 この曲の作詞者はJohn Newtonです。ジョン・ニュートンは1725年にイギリスに生まれました。成長して船乗りになり、奴隷貿易に携わりました。当時奴隷にされた黒人への扱いは劣悪で、乗船中に死亡した者が多かったそうです。ニュートンが22才の時、航海中に嵐になり、船が浸水し転覆する危機に陥ったそうです。この時ニュートンが必死に神に祈ったところ、貨物が船倉の穴をふさいで浸水が弱まり、危機が去ったそうです。30才の時、ニュートンは船乗りをやめ、後に牧師となりました。そして1772年にアメージング・グレースが作詞されたそうです。その大意は懺悔と神への感謝です。

 

Amazing grace, how sweet the sound.

That saved a wretch like me.

I once was lost but now I am found,

Was blind, but now I see.

 

'Twas grace that taught my heart to fear,

And grace my fears relieved,

How precious did that grace appear,

The hour I first believed.

 

Through many dangers, toils and snares

I have already come;

'Tis grace has brought me safe thus far,

And grace will lead me home.

 

When we've been there ten thousand years,

Bright shining as the sun,

We've no less days to sing God's praise

Than when we've first begun.

 

驚くほどの神の御恵みは、なんと甘美な響きでしょうか。

私のような可哀想な者を御救いくださいました。

私は一度は失われましたが、今また見出されました。

目が見えていませんでしたが、今は見えます。

御恵みは私の心に恐れることを教えてくださり、また私の恐れも和らげてくださいました。

私が初めて信仰したとき御恵みが現れましたことは、何と貴重なことなのでしょう。

多くの危険と労苦と誘惑がありましたが、私はすでにここまで来ました。

この御恵みは私を安全にこんなに遠くまで運んでくださいました。

そして御恵みは私を家に導いてくださるでしょう。

私達がそこにいて一万年たった時でも、光明は太陽のように輝いています。

私達が最初に始めてから、神を讃えて歌わない日はありません。

 (ある たいる訳)

 

 この歌の成立を考えると、この歌は男が歌う方が似合うと思うようになりました。ちょい悪オヤジが渋く熱く歌うのが良いかと。このカテゴリーではオバマ大統領(Barack Obama)が歌ったアメージング・グレースがあり、なかなか味がある歌声でした。途中から牧師の説教調になるのですね。

 男性ボーカルの中では、Michael Jacksonがとても気に入りました。マイケル・ジャクソンは表現力があり、しみじみと聴ける歌声ですね。 ビブラートをかけすぎのような気もしますが。

 実はアメージング・グレースはカントリー&ウェスタンとよく合います。アメージング・グレースの後にカントリー・ロードをかけても全然違和感がありません。旋律がシンプルなので、いろいろな音楽と合わせやすいのでしょう。もう一人のジャクソンである、Alan JacksonのAmazing Graceをきいてみましょう。

 この歌の敬虔さと親しみやすさは「昇天」目的で最初に聞くのに適するかと思います。

次に聞くべき歌は何がいいのでしょうか。 

 (続く)