映画「ちはやふる 上の句」、主題歌 Perfume 「FLASH」

原作: 末次由紀

監督: 小泉徳宏

広瀬すず(綾瀬千早)、野村周平(真島太一)、真剣佑(綿谷新)、上白石萌音(大江奏)、矢本悠馬(西田優征)、森永悠希(駒野勉)、清水尋也(須藤暁人)、坂口涼太郎(木梨浩)

 

【この映画は】

競技かるたにかける若者たちの青春映画です。

かるたは百人一首。

和歌の道は言霊の道に通じるので見ようと思いました。

なかなかいい映画でした。

 

【あらすじ】

映画は二部作で、第一部(上の句)は、瑞沢高校にかるた部を創設したおさななじみの千早と太一の恋愛を軸に、かるた部が東京都大会に優勝して全国大会に進出するまでを描きます。

小学生のときのかるたチームを結成していた仲良し三人組の千早と太一と新(あらた)でしたが、かるたに無敵の強さを誇った新は福井に転校して離れてしまいました。

そしてなにやら三角関係を予感させながら、映画は二部(下の句)へと続いていきます。

 

【感想】

ストーリーは単純であり、あれこれと考える必要がありません。

感銘を受けたのは映像が美しいことです。

赤の鮮やかさと黒の深さ、桜色、新緑の萌黄色。

これらは映画館で見ると美しさが引き立ちます。

この映画のカメラワークは卓越しています。

広瀬すずの目力の強さや、競技かるたのスピードと迫力が余すところなく撮れていました。

 

広瀬すずは勢いがあり、世阿弥がいうところの「時分の花」と思われました。

ところが共演者の若者達の演技がとても良かったです。

脇役の人たちもみな時分の花だったのですね。

この映画には桜の花が満開になったような華やかさが感じられました。

 

また、子役はよく高校生役の人たちに似ている人たちを集めてきたものだと感心させられました。特に千早と新役の子がよく似ていました。

【競技かるた】

競技かるたとは、ハードな種目でした。

突き指はしょっちゅう。

素振りやランニングをするような体育系の部活でした。

札を取るときには集中力、反射神経が必要ですが、記憶力も大事です。

そして運の要素も大きいというのです。

お互いに一枚ずつの札が手元に残るのを運命戦といいます。

どちらの札が読まれるかは運命です。

手前の札が読まれた方が自分が有利となります。

また、空札が読まれることもあります。

お手つきにはペナルティがあります。

 

かるたの読者は前の札の下の句を読み上げてから、次の札の上の句を読みます。

上の句につながる下の句を取るわけですが、

決まり字といって、最初の一文字から六文字で下の句が決まります。

競技かるたは一対一で対戦します。

最初は札を自分の前と相手の前に二分して並べます。

自分が札をとったら、自分の前の札を一枚相手の方に移します。

そして自分の前の札が先に無くなった方が勝ちとなります。

高校生の大会では五人ずつの団体戦をしていました。

団体戦を勝ち上がるには、こちらの弱い人を相手の強い人にぶつけるという戦術がありますが、そのあたりの葛藤を机君こと駒井役の森永悠希が好演していました。

 

【印象的な歌】

この映画で印象的な和歌を載せます。

 

●「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」
在原業平
「ちはやぶる」とは「神」の前につく枕言葉。
この歌は屏風歌といって、屏風絵を見て歌をつけたそうです。
私などは「ちはやぶる」と聞くと「千早振る」という落語を連想してしまうのです。
今後は千早ぶるというと、この映画を思うことでしょう。

 

●「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」

崇徳院

愛しあう男女が別れても必ず後に再会しようと誓う歌です。


●「
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ」

山部赤人

映画では、連休の合宿でかるた部員が登山をします。山頂から海の向こうに富士山を望むシーンがありました。

 

●「もろともに あはれと思へ 山桜 花より外に 知る人もなし」

行尊

山中で厳しい修行をする行者が、山桜と孤独を分かち合う歌です。

この歌を千早は「強い絆の歌に聞こえる」と言いました。

「あなたがいれば、私はがんばれる。もっともっと深くわかりあいたい。」というせりふがありました。

 

【主題歌】

主題歌はPerfumeのFLASHという曲です。

こちらは、振り付けがカンフーの動きで面白いので紹介します。

 蹴りのポーズが美しいです。