漫画「僕だけがいない街」②:口に出して言う。リバイバル再び。

 漫画「僕だけがいない街①」の続きです。

 

【雛月というネーミング】

 登場人物のネーミングですが、それにしても「雛月」とは、凝った名前をつけたものです。

 雛月加代は当初は3月2日に殺される運命でしたが、最初のリバイバルではそれが3月3日のひな祭りの日に変わり、再度のリバイバルでは大人になるまで寿命が延びました。

 そもそもお雛様は人の罪を引き受けて持って行ってくれる存在でした。(「神社の人形」参照)

 作者は雛月の名前に人身御供のような意味を持たせたかったのでしょうか。

 

 【口に出して言う】

 「口に出して言っているうちに本当になる気がする。」 これはアイリの言葉でした。想念は現実化します。さらに、口に出すと言霊の力で叶いやすくなるでしょう。だから、縁起でもないことは言わずに、良き言葉を口に出すのは吉なのです。自分の意志をはっきり言葉に出して言う事を事挙げするといいます。

第2巻より
第2巻より

 悟も加代も人に対して演技をしてしいます。人に好かれようと演技している自分を「偽者」と見抜かれて焦る悟。一方、加代は虐待に耐えて虐待を受けていることを学校で隠す演技をしています。

 「演じているうちに本当になる気がする」というのは、二人がお互いを理解し合う印象的な言葉でした。 

 

 【物理的におかしい】

 漫画(第1巻)では、アイリがビルから落ちてくる子供を途中階から身を乗り出して受け止め、二人が落ちそうになるのを悟が支えて止めるシーンがあるのですが、これは物理的にありえません。ほとんどの場合は子供が落ちたと思った瞬間にはもう下に落ちています。身を乗り出して子供を受け止めようとすれば一緒に下に落ちます。

 漫画は紙とペンとインクがあれば物語を創造できるので自由度が高いのですが、往々にして漫画家は物理的法則を無視してしまいます。物理的におかしいと作品がリアリティを失ってしまいます。 

 

2016年5月4日苫小牧での薄明光線
2016年5月4日苫小牧での薄明光線

【リバイバル再び】

 この漫画が心に残るのは、リバイバルが起きた時に必死に頑張る主人公の姿に共感を持つからです。

 

 実は、私達が今、この世に生きているのは、前世のリバイバルなのかもしれません。過去に会っていて後悔が残った人間関係を改善して、人生をやり直すためなのかもしれません。

 今世がリバイバルと違うのは、前世の記憶が消されていることです。また、時間を巻き戻すことはできません。前世と今世で登場人物の役柄が入れ替わっていることもあります。

 

  私達がこの漫画で悟の「リバイバル」を見てハラハラしたり感動したりするように、きっと宇宙の創造神も私達の輪廻転生のドラマを見て面白がっているのでしょう。