三仏寺① 三仏寺の蔵王権現

あるとき写真で、ある仏像を見て衝撃を受けました。

牙をむきだした猛々しい御顔、躍動感にあふれた体躯。

ほれぼれと見とれてしまいました。

それが三仏寺蔵王権現との出会いでした。 

【蔵王権現】

 蔵王権現は金剛蔵王権現ともいい、役小角(えんのおづぬ:634-701)が感得した仏です。役小角が乱世の中にあって衆生を済度するのにふさわしい仏の出現を祈っていたところ、釈迦如来・千手観音・弥勒菩薩が合体した荒々しい仏が出現しました。釈迦如来が過去、千手観音が現在、弥勒菩薩が未来を表すとされ、蔵王権現は過去・現在・未来にわたる仏です。

 役小角(役行者)は修験道の開祖です。蔵王権現は修験道の大切な仏として信仰されました。

 

【三仏寺はどこにある?】

 この蔵王権現像は一体どこにあるものかと調べましたら、なんと鳥取県。役行者が仏教に縁のあるところに落ちるようにと祈って三枚の蓮の花びらを散らしたところ、その一枚が伯耆の国の三徳山(みとくさん)に落ちたので、その地が修験道の行場として開かれたそうです。三徳山の開山は706年のことでした。

 慈覚大師が849年に三徳山に阿弥陀如来・大日如来・釈迦如来の三尊を安置し、天台宗三徳山三仏寺と称しました。三仏寺は平安時代に山岳仏教の霊場として信仰され、今日に至ります。

 金剛蔵王大権現像は康慶の1168年の作であり、三仏寺の投入堂(なげいれどう)の本尊として祀られました。康慶は運慶・快慶の師でした。

 

 三仏寺の所在は、鳥取県東伯郡三朝町三徳です。三朝町(みささちょう)は三朝温泉で有名です。三仏寺は三朝町の山奥にあります。なんだか三が多いです。 

 三仏寺に長年行きたかったのですが、北海道から遠いので、なかなか機会がありませんでした。ところが2014年にスカイマークの新千歳-米子鬼太郎空港線が就航し、安く便利に北海道から鳥取県に行くことが可能になりました。これは千載一遇のチャンスでした。なぜならば、スカイマークはエアバス導入のごたごたで経営危機におちいり新千歳-米子線を一年足らずで廃止してしまったからです。

 そんなわけで、とうとう2014年7月に三仏寺を訪れました。

 

 

 三仏寺②に続く