「声相学入門」:声だけはごまかせない。

十一條龍樹[著], 東洋書院

 

 相学というのは、形から本質を知る学問です。相には手相、人相、家相、地相などがあり、性格や吉凶を形から推し量ることができます。

 

 さて、今回紹介するのは、声相というものです。声には形がありませんので、声相という言葉はどうかとも思いますが、他にふさわしい言葉は浮かびません。声相ということを言った人は少なく、本を著したのは私の知るところでは十一條氏のみです。しかも、出版社によれば、十一條氏自身が2006年以来消息不明であるそうです。そういう意味では希少な内容の本になりますが、今でも入手可能なようです。

 

 さて、この本の内容は人の声から本人の性格および性的な事がわかるというものです。このことが、著者の体験や具体例を引いて説明されています。「女性の声とセックス」という章もあり、この点に興味を持つ人もいるかもしれません。

  

 すごい人が聴くと人の声相から話の内容の真偽はもちろん、そんなことまでという事までわかるそうです。この本に書かれている内容については、各人が経験により確認してみるべきでしょう。

 この本の声相の具体例に上がっている政治家は昔の人で、その人達の肉声を聞きおぼえている人は今は少ないでしょう。そういう意味で内容に古さを感じますが、現状では声相についてはこの本しかないようです。(誰か声相の本を書いてくれませんか?)

 

 著者は声に仮面はつけられず、「声だけはごまかせない」と主張します。声は先天的なもので、先天運を表すとのことです。年をとっても声質は変わらないとも。確かに人の声には声紋があって特長的ですし、年をとっても声の特徴は変わらないように思います。

 

 「われわれの声には、そのように、見えざるもの-不可視不可触的な感情、意志、欲望、性格などが、はっきりと表れているのであって、(後略)」(p84)

 「文は人なり、というが、それ以上に、声は人なり、なのである。」(p131)

 「声にはその人独特のニュアンス、心のかっこうがにじみ出る。個性、教養の深浅がそのニュアンスを作り出す。」(p199)

 「声はその人の現在のその瞬間の情操を示すもの、」(p201)

 

 歌を聴いてみても、歌い方の上手い下手ではなくて、その人の声を聴いて感動したり納得してしまう部分があります。歌手や俳優、アナウンサーはもちろんの事、一般人でも声がいい人は本当にうらやましいです。