映画「高台家の人々」:妄想と正心

原作:森本梢子(漫画)

監督: 土方政人

出演: 綾瀬はるか、斎藤工、水原希子、間宮祥太朗、坂口健太郎、大野拓朗、塚地武雅、堀内敬子、夏帆、シャーロット・ケイト・フォックス、大地真央、市村正親

 「高台家(こうだいけ)の人々」は、妄想女子とテレパスの御曹司とのラブコメディーです。

 平野木絵は30才になる地味なOL。ある日、人の心が読める高台光正に妄想を読まれてしまいます。光正は人の嫌な内面を読むのが嫌だったのですが、木絵のぶっとんだ妄想を読んで木絵に好意を持つようになります・・・。それからの二人の結婚に紆余曲折が生じます。 テレパシーで人の心が読めたらというお話です。

【妄想とは】

 妄想とは本来、訂正不能な思い込みをいうそうです。考えていることが現実とは違うことを本人がわかっている場合は、空想とか夢想という方が適切だと思います。恋愛妄想は、相手に恋愛対象と思われていないのに自分は相手から愛されていると思い込む妄想です。現実的には恋愛妄想からストーカー行為に及ぶことが多いのでは、と思います。また、テレパスが他人の妄想を読んだら引いてしまい、その人に近づかなくなるのでは、と思います。ですが、そんなことを気にしていては作品になりません。そこはつべこべ言わずに、この映画の恋愛が成立したという前提で見ていくのがお約束です。

 

【テレパスと普通人の恋愛】

 心を読めるテレパスと心を読まれる普通人とが恋愛を実らせるのに、何を気を付けたらよいか考えてみました。テレパスは心を読まれる人の信頼を得る必要があります。テレパスに邪心があると人の心をもてあそぶことが可能です。ですので、相手の信頼を得るためには、テレパスは正しい心を持つ必要があります。「正心」とは、忍術書の萬川集海に書かれた、忍者の心得の極意でもあります。高台家のテレパス兄弟は光正と和正という名前でしたが、名前に「正」という字を入れた作者の森本梢子氏の見識には感心しました。

 なお、霊になると肉体がないので、霊同士の会話はテレパシーになります。肉体を持った人間同士ではテレパシーが無条件では通じないので、いろいろなかけひきや心理ドラマが生まれます。

 

【妄想の画像化】

 木絵の妄想の映像化には期待していたのですが、実写の部分はいいのですが、静止画にした部分は物足りなさを感じました。どうしても、手軽な映像だと話が軽くなります。木絵が平泳ぎのフォームがきれいという設定では難しかったのかもしれませんが。実写とコンピュータグラフィックスの組み合わせでもいいので、実写を増やしてほしかったです。

 

【イギリスロケ】

 イギリスの風景って、色が薄いように思うのです。なぜかわからないのですが、景色に濃い色が見当たらないように思うのです。曇った空のせいなのでしょうか。風水のせいなのでしょうか。昔から不思議に思っています。