映画「シン ゴジラ」:ゴジラも「使徒」なのか

脚本・編集・総監督: 庵野秀明

監督・特技監督: 樋口真嗣

准監督・特技統括: 尾上克郎 

出演: 長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、その他多数

 

【感想】

「♪ゴジラ、ゴジラ、ゴジラがやってくる。ゴジラ、ゴジラ、ゴジラが迫りくる♪」

伊福部明作曲のゴジラのテーマに勝手に歌詞をつけて歌っています。

さて、ご存じゴジラを見てまいりました。

すごく面白かったです。

あらすじ?

いつものように、ゴジラが東京をめちゃくちゃにするお話しです。

今回、ゴジラは最初に東京湾に出現し、太田川をさかのぼってから、また海に帰ります。

次にゴジラは稲村ケ岬に上陸し、鎌倉を通過します。台風みたいですね。

どうして、箱根方面に行かないで東京に向かっちゃうんでしょうか? お約束ではありますが。

そして、ゴジラは多摩川に設定した自衛隊の防衛線を突破し、武蔵小杉を経て、東京の霞が関方面に迫りました。 

 今回のゴジラはすごいです。最初に現れてから、進化・成長をして巨大化して強力になりました。

ゴジラの造形では頭は相対的に小さくなっています。マンガで登場人物を巨大に見せるテクニックですね。歯は鋭くとがって密集しています。腕と手はティラノザウルスのように小さくなり、尾は長大になっています。そして、全身は溶岩のように深部が赤く光っています。ゴジラが歩いた地域には放射能汚染がもたらされました。

 今回のゴジラは口や尾や背びれ?からビームのような破壊光線を出して航空機をも撃墜してしまいました。映画の中では、無制限の武器使用を総理大臣から許可された自衛隊がゴジラの駆除にあたったのですが、自衛隊の通常攻撃は無効でした。そして、ついには核の使用が準備されるのですが・・・。

 ゴジラも使徒なのか?

そんな疑問が出るくらい、庵野ゴジラは個性的で不気味です。

残念ながら幸いなことにゴジラは飛びませんし、当然のことながら使徒ではありません。

 

 この映画は自衛隊の全面的な協力を得て撮られました。ミリタリーファンなら興味深いことでしょう。10(ヒトマル)戦車が出てきました。スラローム走行しながら砲撃ができるという変態的なすごい性能を持っている戦車です。元自衛官の人に聞いたのですが、10戦車に限らず、戦車は1km先の30cmの的を撃って百発百中だそうです。そして時速70kmの速度で走ります。戦車戦ではどちらの戦車が先に弾を撃つかが勝負だそうです。なんだか西部劇のガンマンの早撃ち勝負みたいですね。話がそれました。ですので、ゴジラみたいな巨大な標的なら全弾命中が当然なのです。

 この映画では米軍のB2爆撃機や無人攻撃機まで出てきました。なかなかすごい映画です。

 

 

 この映画では、ゴジラのような想定外の存在に対して日本政府がどのように対策をしていったかが具体的に詳細に描かれていました。ゴジラが首都・東京に上陸した時点で日本は詰んでいるように見えるのですが、日本政府、都庁、自衛隊、そして官民一体で総力を挙げてゴジラに立ち向かいました。ゴジラ駆除作戦の実行について危険な任務に立ち向かう自衛隊はありがたいと思いました。ここまでやるかという奇想天外な作戦も描かれていました。核を使ってゴジラを駆除すべきという外圧に対して日本政府は外交で時間稼ぎを行いました。

 架空のお話しですが、日本の政治・行政の仕組みの良い面が描かれていたように思います。また日本人の国民性についてもよく描かれていました。誰がリーダーになっても組織が機能するとか、集団でベストを尽くすとかです。住民は秩序正しく避難していましたし。ゴジラの大被害のあとの復興に国民が力を尽くすことを示唆して映画は終わりました。

 とにかく、登場人物が多くて、場面の転換が速くて、飽きさせない映画です。迷惑千万なゴジラですが、不思議なことに見ていてゴジラに対して憎しみがわかないのですね。ゴジラが超自然的な存在であり、ゴジラの被害が天災のように思えるからでしょうか。