マラソンの接地を考える

【足の裏の接地】

 マラソンで走る際に足の裏のどこを最初に地面に触れるかが問題です。このことはマラソンの楽で速い走り方をまとめた時には書きませんでした。走る際の接地は踵、つま先、足の裏全体の三種類があります。結論からいうと、どれが正解ということはありません。ただし、どの接地を選ぶかにより走り方全体に影響します。各人に合った接地方法があると思います。

 

 接地の問題を考えようと思ったのは、自分が長い距離を走れるようになって、次にもっと速く走りたくなったからです。私は踵接地をしていました。そのことは靴の踵の外側が減っていることからも確認できます。まあ、普通の接地の仕方です。

 

 ところが、北海道マラソンでアンバサダーとして走っていた元マラソン選手を観察したら、ずっと踵を上げて走っていました。それを見て、つま先で接地する走り方を意識するようになりました。

 

【接地時間を短くするのが速く走るコツなのだが】

 ある時、接地時間を短くするために、足の裏全体をタンタンッと地面に叩きつけるようにして走ったことがありました。そのようにして20km走った後に用をたしたらコーヒー色の尿が出て焦ったことがありました。調べてみるとそれは血尿ではなく、ヘモグロビン尿といって足の裏にかかる衝撃によって赤血球が壊れて生じたヘモグロビンが尿中に排泄されたものだとわかりました。ヘモグロビン尿が出たのはその時だけだったのですが、接地の仕方について考えさせられました。

 

【足の裏全体で接地するのは】

  足の裏全体で常に接地するのは、結構難しいです。というのは舗装路面は必ずしも平坦ではないからです。アスファルト舗装では排水のための傾斜がついていたり、車道ではわだちのくぼみがあったりします。登りと下りの傾斜もあります。したがって、地面は平坦ではないので、常に足の裏全体を地面に同時に接地させることは困難です。

 

【つま先で走ること】

 つま先を接地するといっても、正確には土踏まず前方の足指の付け根で接地します。そこはハイヒールの踵以外の部分と考えてもいいです。

 思えば自分が小学生の時は踵を上げて走っていました。それがいつからか踵から接地して走るようになったのは成長して体が重くなったせいでしょうか。

 わらじを履いていた昔の日本人はつま先で走っていたと思われます。鼻緒を足にかけるので、わらじの後ろ半分が無くても走れたはずです。忍者もつま先で軽やかに走っていたはずで、踵でドカドカ走っていた忍者はありえなかったでしょう。剣道でも踵を上げて構えて移動します。 

 

【実際につま先で走るには】

 踵を上げ過ぎるとふくらはぎとアキレス腱、足の裏に大きく負担がかかります。ですので、踵を地面からわずかに上げて足の指の付け根でまず地面を踏むようにするのがよいでしょう。地面を踏んだ後に踵が地面についてしまってもかまいません。

 つま先走りの感覚を得るのに、踵を地面からわずかに持ち上げて歩いてみましょう。すると足首と足の裏のクッションが効いて、フワフワした感覚で歩くことになります。そうすると足を強く踏みしめることはなくなります。その歩き方で意外に長く歩き続けることが可能です。そのようして歩いているとジョギングがしたくなり、ジョギングをすると速く走りたくなります。

 踵を地面からわずかに持ち上げて接地をすると、ストライドは大きくならず、膝が曲がって足首と膝で接地の衝撃を吸収する感じになります。接地が終わった後に足首が後ろに返りやすくなります。速く走ると、接地していない方の膝が後方に良く折れ曲がります。そして、下半身のバネが効いた走り方になります。つま先接地の場合、接地時間はある程度かかりますが、踵接地よりは短いです。

 

【検証が必要】

 私がつま先接地で5km程度走ってみたところ、確かにタイムが短縮できました。しかしながら、つま先接地で走ると、ふくらはぎとアキレス腱、足の裏、大腿部前面に負荷がかかります。つま先でどのくらい長時間走れるかは確認が必要です。

 つま先走り可能なのが短時間であっても、ギアを上げてスパートする時に使えそうです。あるいは、つま先接と地踵接地を交互に行うことで下肢の筋肉の疲労する部分を分散できるかもしれません。