神尾真由子のバイオリンを聴く

 今回は若手バイオリニストの演奏を聴いてみましょう。

 神尾真由子は1986年生まれのバイオリニストです。彼女は2007年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝を飾りました。

 まずは、チャイコフスキー作曲のワルツ・スケルツォ op.34ですが、この作品はチャイコフスキー国際コンクールの課題曲でした。明るくのびやかな旋律が魅力的な曲ですが、この演奏のフィナーレは力感にあふれた感動的なもので圧巻です。

 次は、マスネ作曲の「タイスの瞑想曲」を聴いてみましょう。神尾真由子はこの美しい旋律をこの上ないほどに情感を込めて弾いています。面白いのは音を出さずに映像だけ見ていても飽きないことです。演奏者の恍惚の表情からこの音楽のもつ崇高な精神性が感じられるようです。

 話はそれますが、女優がバイオリニストの役を演ずるにあたって、この表情ができますか?と問いたいです。この表情をするには心の中で「タイスの瞑想曲」が流れている必要があるでしょう。

 次は、バッハの「無伴奏バイオリンソナタ第1番 アダージョ」のさわりの部分を聴いてみましょう。部屋の残響が多い録音です。バッハの無伴奏バイオリンソナタは神品といってよいほどの作品ですが、それを素晴らしい演奏で聴けるのは嬉しいことです。