映画「アズミ・ハルコは行方不明」:意味不明かも

原作: 山内マリコ

監督: 松居大悟、脚本: 瀬戸山美咲

 

配役: 蒼井優(安曇春子)、高畑充希(愛菜)、太賀(ユキオ)、葉山奨之(マナブ)、石崎ひゅーい(曽我)

 

  この物語は地方都市(足利市?)を舞台として二人の女性の物語が平行して描かれるのですが、時間軸がぐちゃぐちゃでよく分かりませんでした。まず、まつや商事という小さな会社で働く27才のOL・安曇春子の物語があります。春子は陰気な同級生の曽我と付き合っています。また、キャバクラで働く二十歳の愛菜の物語があります。安曇春子はどこかで行方不明になったようです。愛菜の彼氏のユキオとその友人のマナブは交番に張っていた行方不明のアズミ・ハルコの尋ね人の広告からステンシルを作り、町中に行方不明のハルコのペインティングを拡散しました。途中で愛菜も面白がってペインティングに参加しました。そのペインティングはラインやネットで拡散し社会に影響を与えました。しかし、春子は終始画面に出ていて、どこから行方不明になったのか結局私にはわかりませんでした。

 

 正直言って、この映画は何をいいたいのか分からずに見ていたのですが、終盤で春子が「女の一番の復讐は幸せになること」と言ったことで解決しました。そう、これは女の怨念の復讐劇だったのです。

 二十歳の愛菜は体目当てのユキオに翻弄されます。27才の春子は彼氏の曽我に浮気をされて泣きます。先輩OLが辞めて若い後輩女子が入ってきたとたん、会社の社長と専務は後輩をちやほやするようになり、春子は立場が激変したことを感じました。そんな女性達の怨念は女子高生を式神のように使って男を無差別にぶちのめすことで炸裂しました。女子高生は疾風のように現れて曽我をぼこぼこにし去っていきます。また、ある時はマナブを襲撃してボコボコにして去って行きました。最後の方で警官隊が女子高生軍団を相手に拳銃を構えますが、女子高生には通じず皆まんまと逃げていきました。無理もありません。式神のようなものですから。

 女子高生に襲われたのち、車中で倒れていたマナブは警官によって保護されましたがその際にスプレー缶が落ちたことでペインティング(器物損壊)の犯行がばれてしまいました。しかし、その社会的影響を認めた男から、ステンシルの技法を使ったイベントを持ち掛けられてマナブとユキオは注目を浴びました。蚊帳の外に置かれて死のうと自暴自棄になった愛菜のところに春子が現れて、死ぬのではなく一時的に行方不明になることを教え、「女の一番の復讐は幸せになること」ということわざを伝えました。

 37才の先輩OLのヨシザワはフランス人と結婚して退職することによって、安月給で働かせて若い子好きなセクハラ上司を見返しました。そして結末のところで春子は赤ちゃんを抱いて愛菜の前に現れて、復讐が成就したところを見せたのでした。

 

 それにしても、この映画に出てくる女性は皆面倒くさいものです。(「この映画に出てくる」という枕詞を省略すると一層面倒の元になるでしょう。) 映画中に出てきた春子の認知症の祖母。そんな祖母をイライラしながら世話する母。家族と一緒のお墓に入れないといって泣いた小学生の女の子達。みな、世代を超えためんどくささを感じます。そして、映画に出てくる男たちの甲斐性のないこと。

 

 蒼井優はアンニュイで不安定な感じを良く出していました。高畑充希は植物図鑑の「さやか」や「とと姉ちゃん」と対極的なタイプの女性を演じていて斬新でした。この映画では喚いたり暴れて物を壊したりする高畑充希が見られます。どの役もみな同一人物が演じたかと思うと、その霊力に感服したのでした。