災害時のトイレ対策を考える

 大規模災害時には水洗トイレが使えない状況になりえます。そのような非常時には排泄物(糞尿・し尿)の処理が大問題です。その時になって困らないように状況別に対策を考えてみました。

 

【場合分けと方法】

①断水だが水洗トイレで下水が流せる場合

 トイレ自体と下水設備に問題がない場合です。このときは、川から水を汲むなどで十分な水の確保できれば解決します。なお、し尿を流すときはバケツに入れた水を一気に便器に注ぎます。

 

②トイレに水を流せないとき

 トイレ設備が壊れた、あるいは流す水を確保できない場合が相当します。

A. 利用できる土地があるとき:し尿を土に埋める。

B. 土地が利用できないとき:し尿を処理して貯蔵しておく。

 

【具体的な方法】

A. 自宅に利用できる土地がある場合は、穴を掘ってし尿を土に埋めて土壌中の微生物に分解させる方法があります。次回は別の場所に穴を掘ります。この方法は後でし尿処理をしなくて済む点で優れています。土に埋める方法は生ごみの処理にも使えます。

 

B. トイレが使えず、し尿を埋める土地もない場合は、し尿を処理して災害復旧まで貯蔵しておくことを考えます。その際の要件は、衛生的であって臭気が少ないことと、災害復旧後のし尿処理が簡単なことです。

 

 当初の処理は、ビニール袋中のし尿に凝固剤を加えてゼリー状に固めます。自治体によっては固めたし尿を燃えるゴミとして回収してくれるようです。回収してくれない場合には復旧後にし尿とトイレットペーパーをトイレに流すことを考えます。

 

 固まったし尿でトイレが詰まると困ります。そこで、大量の水を加えると溶けるタイプの凝固剤を選びます。「コアプルEM高速水性物凝固剤」という製品は、凝固した後に大量の水を加えると溶けるそうです。この製品には食添用殺菌剤が混入されているので、腐敗によるガス発生を抑えられそうです。

 

 ビニール袋は「BOS大人用おむつ・うんち処理袋(LLサイズ)」が消臭効果が高くてよさそうです。凝固処理したし尿を入れたビニール袋はなるべく空気を抜いてから、後から開けられるようにして密閉します。その袋をさらに大きなビニール袋に入れて密閉するのですが、この大袋に活性炭の消臭剤を入れておくと良いでしょう。

 

 さて、災害が復旧してし尿をトイレに流せる状況になったら、袋を開けて適量の水を加え、固まったし尿を溶かしてからトイレに流します。ビニール袋に入れる水にブリーチやハイターなどの塩素系漂白剤を混ぜるのが衛生的で良いと思います。これらの漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムは一般細菌に加えてノロウイルスの消毒にも有効です。

 

 このビニール袋と凝固剤とトイレットペーパーの三点セットを小分けにして携行すれば、旧式エレベーターに閉じ込められるなどの極限的状況にも対応できると思われます。