映画「Relife リライフ」:人生更生プログラム?

原作:宵待草

監督:古澤健

出演:中川大志、平祐奈、高杉真宙、池田エライザ、岡崎紗絵、夏菜、千葉雄大、市川実日子

 この映画は設定が変なのですが、人生に対する前向きなメッセージが込められているのは良いと思いました。

 

【あらすじ】

 27才の主人公・海崎新太(中川大志)は熱血的であり、人に対してお節介で面倒見がいいですが、要領がわるくて熱意が空回りする傾向があります。会社を辞めてから再就職ができずに自暴自棄になっている海崎の前にリライフ研究所の職員を名乗る男・夜明(千葉雄大)が現れます。そして、海崎の状況を調査済であり、リライフプログラムに応募することを勧められました。リライフとは1年間高校生となって勉強しなおすという人生の更生プログラムであり、一年間の生活費はリライフ研究所がもち、終了後には就職先を斡旋するというもの。そして、飲むと若返るという怪しげな薬を渡されました。海崎は酔ったついでにその薬を飲んでしまい、なんと若返りました。そしてリライフプログラムに参加することになりました。このいきさつは、はっきり契約をしていないようで不自然です。そして、驚いたことには夜明が、成果の確認のために高校生のクラスメートとなって海崎を監視するというのです。製薬会社の治験に似ていますがそこまで大がかりにやるかという感じです。そして、海崎と関わったクラスメートは海崎についての記憶が消されてしまうというのです。リライフ研究所は神の機関なのでしょうか。営利目的の民間団体とは到底思えません。

 さて、海崎は高校3年生となったものの、その高校は進学校であり、テストは難しくて成績は下位でした。クラスメートがいい人達で海崎に補習をしてくれました。そして、一年後に別れが来て、海崎は自分の進路がはっきり自覚できて、その方向で再就職します。そして、意外なオチがついています。

 

【リライフを考える】

 この作品は、10年間の社会経験を持って人生を高校生まで巻き戻したらやり直せるかもという話です。確かに未来の自分が過去に戻って過去の自分に助言できたらどんなにいいことでしょうか。ですが、巻き戻っても、クリアしなければ先に進めない関門がきっとあるはずです。

 リライフにより主人公は若返り、10才も年下の人達と一緒に高校生活を送ります。一年若い人と混じって勉強する感覚は大学で留年したのと似ています。一生レべルまで巻き戻すと、輪廻転生となります。

 この映画に込められたメッセ―ジは、今を大切に生きようというものでした。この「今」というものが曲者で、若いときは「瞬間、瞬間」すなわち「刹那」が今なのですが、年をとると「今」が長くなります。すなわち、未来のイベントの予定がわかり、それに対して準備をすることや、過去の経験を想起し過去の体験の余韻に浸ったりすることも「今」に含まれていきます。すると「今」は一連の流れをもった長い時間となります。その長い「今」を一貫させるのは、その人の意志の継続性です。一生レベルでいうと、一生を通じてのその人のテーマ、天命ともいえますが、そういったものが意志決定の軸となっていくでしょう。

 リライフは後ろ向きですが、前向きに人生の準備をするのもいいでしょう。私は50代ですが、残りの人生の半分以上は来世の準備にあててもいいかなと考えています。