半分捨てる

 物が収容量の限度を越えてあふれてしまうことがあります。多くなり過ぎた物をすぐに減らさねばならない場合にどうしたらいいでしょうか? その簡単な解決策はその半分を捨てることです。

 

 物に愛着を持つと所有物が増えてしまいます。もったいない精神があるとなかなか物が捨てられないものです。物を色々と加工することが出来る上級者ともなりますと、廃物利用が可能となります。すなわち、物が壊れたり劣化しても、その一部分でも利用可能であれば、そこを取り出して再利用をするのです。人が捨てるジャンク物にも価値を見出すようになると上級者といえるのでしょう。その境地になると、全ての物が宝の山に見えてしまい、ますます物が捨てられなくなってしまいます。

 

 仏教ではむさぼりの心(貪)を人を苦しめる煩悩としています。必要以上に欲しがる心や物惜しみする心を貪りとして戒めているのです。また仏教では執着心を苦の原因としています。

 

 「断捨離」という言葉は物を捨てて執着から離れる意味かと思います。ところが、この断捨離がなかなか難しいのです。物を捨てるには、将来いつか使えるのではないかという見込みを打ち消さねばなりません。また、物を捨てるには労力や費用がかかります。いざ断捨離を実践しようと思ってもなかなか進まないのです。また、行き過ぎた断捨離は危険ではないのでしょうか。断捨離をやりすぎると必要な物まで捨ててしまいそうです。日常時の一切の無駄を省いた生活は非常時においては脆弱であるでしょう。

 

 そこで、有り余る物を整理するコツとして「半分減らす」のが有効です。必要な物は残しつつ物を減らすために、二者択一を行います。同質の二つの物を比べると必ず優劣が生じます。そのうちの優れた方を残し、劣った方を処分する。その選択を繰り返していくと大切で必要な物が残ります。選択を「あれも、これも」ではなく、キルケゴールみたいですが「あれか、これか」にするのです。将棋で王手飛車取りをかけても、王と飛車の両方がいっぺんに取れるわけではなく、取れるのは飛車のみです。飽和した物を捨てなければ破綻する状況においては、とにもかくにも半分捨てて身軽になる方法を提案します。